薬剤師は現在、「食いっぱぐれがない」仕事の代表例かと思います。
今後は薬学部の新設ラッシュなどもあり、供給が多くなっていきますが、今後も食べていける仕事と言えるのでしょうか。
「AIに置き換わらない薬剤師業務について」や「薬剤師の将来性」なども踏まえて薬剤師の今後をお伝えします。
この記事を読めば、薬剤師が「食いっぱぐれない」理由と今後も「食いっぱぐれない」理由についてわかります。
薬剤師の一番の強み「食いっぱぐれがない」理由
医療系の資格業は安定していると思います。
給与はそれほど高くはありませんが、基本的には食いっぱぐれがないというのが一番の強みでしょう。
そして薬剤師は今後も食いっぱぐれの少ない職種だと言えるのではないでしょうか。
理由①薬は毎年20種類くらい増えていっている
どうしてかというと、薬って年々増えていくんですよね。
毎年20種類くらいの薬が世に発売されまして、そのうちの数種類は「絶対に覚えなければならない薬」なので毎年勉強します。
つまり毎年いくつも薬が出てきて、さらにその薬だけでなく今までの薬で新しい効果があったとかいう情報もあるので毎年覚えることが多いです。
もう定年間際の薬剤師おばちゃん方は昔はかなりの知的な方でバリバリ暗記とかできる方だったと思うのですが、今は追いついていくことが困難になっています。
一旦薬局とか病院とかではなくてメーカーとかに勤務したらまた戻ってきて薬を覚え直すのは結構困難かと思います。
薬の量が多かったり、医療の進歩が早すぎて知識のアップデートが大変になるので、高度な職業となる
理由②薬剤師の仕事の幅がどんどん広がる
一昔前は顔の見えない薬剤師と言われたものですが、現在はどこの病院であっても病棟薬剤師を行ったり、退院時指導を行っていると思います。
また在宅医療についても積極的に関わったり、かかりつけ薬剤師など地域貢献も積極的に行っております。
この間のコロナワクチン接種の時には混注業務を薬剤師が行っておりましたが、この時にも筋肉注射まで薬剤師が行ったら?という意見が出ておりました。
これからも保健医療に関する役割、地域の医療を支える役割としてさらに仕事の幅が広がる可能性が多いです。
病院の病棟活動や在宅医療の分野など薬剤師の活躍する分野は広がっている
理由③ドラックストアのセルフメディケーションが進む。スイッチOTCが増える
国の医療費削減の一環として簡易な薬についてはどんどんドラッグストアで買えるようにシフトしております。
ちょっとした保湿剤を貰うためにクリニック受診やちょっとした胃薬を貰うためにクリニック受診というのが多かったのですが、こういうのは医院でも待たせて薬局でも待たせて国の医療費を大量に使って、時間もお金も使っていいことありません。
なので今後はドラッグストアに行けばある程度治療ができるくらいに規制緩和して薬の数を増やしています。
ますますドラッグストアの売上は上がっていくでしょうし、薬剤師の需要は増えると思います。
セルフメディケーションを政府が活性化させるのでドラッグストアの需要が増える
理由④偏差値40くらいの薬学部では薬剤師国家試験に受からない
薬学部の新設ラッシュがありまして、偏差値40くらいの薬学部もできたようですが、
結局偏差値40くらいの人は薬剤師国家試験受かっていない方が多いと思います。
国家試験合格率が高い学校もそもそも留年率が高かったりするので実情がどうなのか調べる必要があります。
国家試験合格率を上げるために卒業試験を国家試験より難しくする学校もあります。
このため需要に対して供給が今後も追いつかない可能性があります。
下のサイトで真の薬剤師合格率について説明されています。
薬学部に入っても薬剤師国家試験に受からない人が多い
理由⑤今後、薬剤師国家資格が更新性になる可能性がある
今後なりうるのは薬剤師資格がある人の定期的な更新試験というのが出てくる可能性があります。
今は認定薬剤師の更新をやらざるをえない雰囲気になっていますが、これが強制的になってくる日が来るのかもしれません。アメリカみたいに。
そうすると、薬剤師として現場で専門性を発揮できる人は限られてしまうしそこ自体にハードルが高くなってしまうので薬剤師自体がそれほど増えない。
そして、需要は大きく拡大はしないけどやや増えるくらいとしても相対的に薬剤師はこれからも忙しく、あちこちで引っ張りだこになることかと思います。
理由⑥AIが導入されても薬剤師がやらなければならない業務がある
薬局ではAIや機器が徐々に導入して業務効率を改善していっています。
そういう中で、AIに置き換われない「薬剤師が必要」な業務がいくつかありますので薬剤師がいらなくなると言うのはまだまだ先のようです。
AIに置き換えることができない薬剤師業務が多い
AIに置き換わる業務に関してはもう少し詳しく説明します。
薬剤師業務はAIに置き換わるのか
AIに置き換わったり機械化されるのは調剤や在庫管理と事務入力分野
今後、AIに置き換わっていくのは主に調剤業務や在庫管理業務、事務入力業務が大きく置き換わっていくと思います。
AIは薬剤師のコミュニケーション関連の仕事はできない
AIはコミュニケーションなどの不確実性の高い要素に関しては苦手分野であり、これらに関しては薬剤師が今後も必要とされていくようです。
患者さんの見た目や状況、雰囲気などでいうべきことや返す言葉が変わってくるかと思います。
こういったことを瞬時に判断して患者さんに合わせた適切な服薬指導を行えるのは人間である薬剤師の強みであります。
クレームや健康被害の対応は薬剤師が対応しなければならない
また、クレーム対応や健康被害が起こった時にAIがいくら正しいことを言ったとしても、それでは納得できないと思います。
ここでは、血の通った人間が対応することによって誠心誠意ある対応を求められます。
クレームや健康被害の対応という点からも薬剤師の必要性が出てきます。
適切な副作用チェックはまだAIにはできない
また、副作用チェックにおいては、副作用自体が様々あり、それらが発生しているのかどうかを疑うのはやはり薬剤師の役目なようです。
30品目中2品目くらいしかAIは当てることができなかったようで、まだまだ薬剤師の頭脳が必要となっていくようです。
また、言うべき副作用と言わないほうが良い副作用があるかと思います。
例えば、スタチン(脂質異常症の薬)の横紋筋融解症とか、0.1%ぐらいしか発生しないような副作用に関しては「出たら教えてください」くらいの形で簡単に説明しなければなりません。
AIはこの辺の判断をよくわからずに説明してしまいますので、患者さんを無駄に不安がらせてしまったりする可能性があります。
将来、薬剤師を目指しても大丈夫なのか
では、薬剤師は将来目指してもいいものなのでしょうか。
現在、6年生の大学でだいたい1200万円ぐらいの学費がかかってきます。
この学費に対して十分な給与があるかどうかといえば、それほど多くはないというのが真実かと思います。
薬剤師自体は以前からもそれほど高給取りではありませんので、あくまで安定した職業であり、不景気になった時に仕事を失うリスクが低いという選択肢であります。
給与が学費に見合うかは微妙だが、需要が多いので今後も安定はしている仕事
今後の薬剤師は働きがいのある職業となる
もしあなたが医療に興味があったり、薬剤や科学に興味があるのであれば、薬剤師は目指すべきものだと思いますし、大いに結構なことだと思います。
しかし、単純にお金だとかプライベートの充実だとか、仕事のしやすさとか、資格だから便利といったような気持ちで薬剤師になることはあまりお勧めしないかもしれません。
なぜなら、年々保険医療財政は厳しくなっている現実もありますし、薬剤師に関しては業務範囲が年々増えていき、以前の薬剤師とは比べ物にならないほどの仕事量を求められたりしている現実もあります。
今後もその傾向は強くなっていく可能性はあるとは思いますので、結論から言うと、好きではなければあまり適さないのではないかと思います。
逆に薬剤のこととか医療のことが好きな人に関しては、今後実際の薬の提案だとか、処方箋もリフィル処方箋といって薬局だけで定期処方を出していくというようなことが行われていきます。
この過程で、バイタルチェックをしたり、自分で疾患の方をコントロールし、よく確認して、患者さんとのコミュニケーションを通して医療に関わっていくという面が大きくなっていきますので、やりがいや楽しさというところは増していくと思います。
また、在宅医療や病院の病棟活動においても薬剤師が前に出て、みんなでチームプレーで医療を行っていく場面が多々ありますので、チーム医療などでやりがいのある仕事は多くなっていくと思います。
仕事の難易度は上がるので、医療や薬が好きである人でないと辛く感じる可能性がある
知識をアップデートできる人であれば活躍の場が広くなる
薬剤師の今後 将来性について
政府の方はセルフメディケーションを推進したり、非医療保険で治療を行えるセルフメディケーションなどを推進しています。
この流れから、ドラッグストアで扱える薬の幅はどんどん多くなっていっています。
この点から、ドラッグストアの薬剤師の需要は今後も増えていくと思われますし、よりドラッグストアの薬剤師の能力を問われる時代となってきました。
なので、ドラッグストアにおいては需要が拡大していくと思われます。
また、病院薬剤師の病棟活動も結構認められている部分もありますので、これに関しても保険点数が今後も増えていく可能性が高いですし、また在宅医療に関しても薬剤師の活躍が認められるので、今後も点数が増える予定があります。
しかし、今までどんどんタケノコのように増えていった門前の調剤薬局や「ただお薬を出しているだけ」のような調剤薬局に関しましては、今後減らされていく可能性が高いです。
実際に保険点数はかなり削られていっていますし、医療として関わっている面が低いところに関してはかなりメスを入れられてる状態になっています。
調剤薬局では、かかりつけ薬剤師を推進しておりまして、こういう対人業務に関しては今後も伸びていく可能性があります。
なので、今後伸びていく分野としては、ドラッグストア薬剤師、病院の病棟活動、在宅医療の薬剤師であるのでそう言う職場を見据えて仕事を選んでいくべきかと思います。
(調剤薬局がなくなるわけではないので、ある程度需要はありますが、今までよりは需要が減ってくる可能性があります)
ドラッグストアと病院薬剤師、在宅医療は伸びていく
「薬を出すだけ」の調剤薬局は減らされていく可能性が高い
薬剤師になる方法
これから薬剤師になろうと思っている方は、6年制の薬学部を卒業する以外に道はないようです。
現在も4年生の薬学部は存在しますが、4年制の薬学部を卒業した場合は、 薬剤師国家試験の受験資格を取得できません。
ただし、2017年度までに4年制の薬学部へ進学した人は、修士課程2年を含めて6年間学ぶことで受験ができます。
これから薬剤師をめざす場合は、6年制の薬学部以外の選択肢はありません。
その上で国家試験受験資格を得て、国家試験を受験して合格することで薬剤師になれます。
薬剤師に向いている人
薬剤師に向いている人に関しては、とにかく正確性を問われますので、正確に業務ができる方、コミュニケーションがしっかりと取れる方が適しています。
ほうれん草(報告・連絡・相談)をしっかり行えないと重大な事故になってしまったりします。
また、化学の知識や勉強が嫌いじゃない人、医療のことが好きな人の方が向いていると思います。
薬剤師に向いている:勉強が好き、コミュニケーションができる、化学や医療に興味がある
注意:薬剤師免許剥奪される要件があります
(相対的欠格事由)
第五条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者
薬剤師の免許剥奪要件から気をつけること
1.過度な心の病とならないように精神面を安定させる
2.薬物・ドラッグに手を染めては絶対にダメ!
現在、薬剤師である程度経験があると来る求人情報
薬剤師免許があって、「実務経験がある程度ある」人は求人案件は結構あります。
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