能登地震の影響でアズノール軟膏の供給が低下していて流通が不安定になりそうです。
2024/11現在 アズノール軟膏 限定出荷のまま
アズノール軟膏は様々な用途で使うし、病院や在宅では結構必須の薬品です。
アズノール軟膏がなくなったら・・・なんて考えたくはありませんが、とりあえず在庫確保と、もしもの時の薬を考えていきたいと思います。
アズノール軟膏の用途・適応を確認
効能又は効果
- 湿疹
- 熱傷・その他の疾患によるびらん及び潰瘍
用法及び用量
通常、症状により適量を1日数回塗布する。
アズノール軟膏の使用用途
アズノール軟膏は使用用途が多岐に渡っています。
効果も強くないけど適宜使える「使いやすい軟膏」というイメージが強いと思います。
特に副作用もなく、ある程度何でも効くので処方しやすい薬です。
さらに看護師さんやヘルパーさんも馴染みの薬なので処方希望が多いです。
皮膚潰瘍
アズノール軟膏は主に皮膚潰瘍に使われます。ステロイドほど強力ではないけど抗炎症作用があるので粘膜とかデリケートな部位でも使いやすいです。
おむつかぶれ
アズノール軟膏はデリケートな部位でも使用していけるのでおむつかぶれなどでも良く使います。亜鉛華軟膏と合わせて使うこともあります。
口腔の潰瘍
適用外ですが、口腔内の潰瘍に使うこともあります。口腔内は製剤上適しませんが、がん患者さんの口腔ケアなどの場面で使用することがあります。
褥瘡(じょくそう)
褥瘡でもそれほど症状がひどくないときなどにアズノール軟膏を使用します。
熱傷・火傷
アズノール軟膏は軽い火傷などにはよく使われます。
ただし、ステロイドやドレニゾンテープなどの場合も多いです。
なんとなくの保湿剤として使用
なんとなく保湿剤的な意味ででていることもあります。
プロペトが多く配合されているため保湿としてとりあえず出すという場合もあります。炎症があっても治ってしまうので一石二鳥的な処方なのかもしれません。
結構このなんとなくアズノール軟膏パターンは多いです。医師に確認すると意外と理由もない事も多く、変更できると思います。
アズノール軟膏の代替薬候補は?
アズノール軟膏が出る場面は様々なときがあり、症状は一定ではありません。
しっかりとどういう目的で使うのかを聞き出し、本当にアズノール軟膏が必要なケースのみに使用してそれ以外は他剤に変更してみてください。
実際には「なんとなくアズノール軟膏処方」は薬局の想像以上に多いと思います。
口腔内塗る場合→アズノールうがい薬やアズノールST錠代用していく。
メーカーも推奨しています。
保湿の意味が強い→プロペト
とりあえず保湿剤的な感じでアズノール軟膏がでていたらプロペトに変えてもらいましょう。ヒルドイドでもいいでしょう。
抗炎症→ステロイドなど
潰瘍があって抗炎症の意味で使っている場合はステロイドの弱いものに変えてもらいましょう。
ロコイドくらいの強さのものに変えるのがちょうど良いと思います。
褥瘡→亜鉛華軟膏、プロスタンディン軟膏
褥瘡だった場合は亜鉛華軟膏やプロスタンディン軟膏が代替と思いますが、医師の先生とよく相談してください。
分類 | 基剤の機能 | 基剤の種類 | 外用薬 (代表的な製品) | ||
---|---|---|---|---|---|
疎水性基剤 | 油脂性基剤 | 保湿 | 白色ワセリン、 精製ラノリンプラスティベース | 亜鉛華軟膏アズノール® 軟膏プロスタンディン® 軟膏 |
おむつかぶれ→亜鉛華軟膏
おむつかぶれの場合は亜鉛華軟膏もしくはプロペトで対応してみてください。
亜鉛華軟膏は流通が戻ってきております。(2024/07/21追記)
まとめ
- 能登地震の影響でアズノール軟膏が流通不良。
- アズノール軟膏は使用用途が様々
- 使用用途を聞き出してアズノール軟膏の代替を早い段階で相談
- 本当に必要な人だけ使用するように確保する。