「2026年の診療報酬改定? どうせ点数が変わるだけでしょ。管理薬剤師が頑張ればいいよ」……もしそう思っているなら、ちょっと危ないかもしれません。
今回の改定、実は私たちの「プライベート」と「あなたのお賃金」をダイレクトに狙い撃ちしにきています。
配属された店舗によっては、勝手にボーナスが削られたり、断れない在宅業務で定時退社が絶望的になったりする「地雷」が埋まっているんです。

この記事では、難しい厚労省の言葉をすべて「私たちの損得」に翻訳しました。
- 今の店舗に居続けて給料は大丈夫?
- 窓口で患者さんにキレられないための言い訳は?
- 定時で帰るために、どの業務を「捨て」て、どこに「力を入れる」べき?
勉強熱心なフリをする必要はありません。
明日からの「平和な薬剤師ライフ」を死守するために、必要なところだけサクッと確認していきましょう。
1. 【店舗ガチャ】あなたの薬局は「沈みゆく船」じゃないか?(調剤基本料)


医療モールや門前薬局を襲う「集中率85%」の壁。
減算される店に居続けると、人員削減であなたのシフトが地獄化するリスクについて触れていきたいと思います。
1. 「ただ待っているだけ」の薬局への宣戦布告
長年議論されてきた「門前薬局」や、資本力を背景にした「大規模グループ薬局」に対する評価は、今回の改定でより一層厳しくなりました。
その一方で、手間やコストがかかっても地域のために汗をかく薬局を評価する姿勢が鮮明になっています。
国が目指しているのは、どの薬局に行っても質の高い薬学的管理が受けられる「かかりつけ機能」の標準化。
つまり、「特定の病院の隣にいるだけで処方箋が舞い込む」という経営スタイルは、もはや制度的に維持が困難な状況になりつつあるのです。
2. 医療モールの「抜け穴」がついに塞がれた


これまで、医療モールの下にある薬局はある種の「ライフハック」で高い基本料を維持してきました。
同一建物内に複数のクリニックがあれば、それぞれの処方箋を合算して「集中率」を分散させ、減算ルール(85%ルール)を回避できていたからです。
しかし、2026改定はこの「モール・マジック」を許しません。
同一建物の複数クリニックは「ひとまとめ」として集中率を計算するという鬼のルール変更がなされました。
これにより、多くの医療モール型薬局が軒並み85%の壁にぶち当たり、基本料がガクンと下がる「地雷店舗」へと変貌します。
さらに、門前薬局等立地依存減算というのができ、都市部にある薬局で集中率が85%を超える場合、有無を言わさず15点(150円)のマイナスを食らうことになります。
1日100枚受けている薬局なら、それだけで毎日1万5,000円、月間で約40万円の利益が消える計算です。
門前薬局等立地依存減算(-15点)





都市部の新規開局は厳しいです。
さらに新規でなくても都市部の薬局が乱立しているところや面処方が取れない薬局は減点に引っかかる可能性があります。
| パターン | 該当条件 |
| 既存薬局密集地域 | 指定地域、半径500m以内に既存薬局、集中率85%超、かつ特定病院の100m以内や他薬局の50m以内に所在 |
| 場所の一体化 | 特定医療機関への集中率が85%超、かつ医療モール・同一建物・同一敷地内に所在 |
3. 在宅の「数稼ぎ」も通用しない
「外来の集中率が高いなら、在宅(施設処方)を増やして分母を大きくすればいいじゃない」という、これまでの防衛策も通用しなくなりました。
今回の改定では、施設処方は集中率の計算に含めず、純粋な「外来処方箋」のみで85%判定を行うことになります。
つまり、施設在宅で「実績」を作っていたとしても、外来が特定の門前に依存している限り、減算からは逃れられないということです。
国は「小手先の数字合わせ」ではなく、本当に地域から選ばれる「面(めん)」の薬局になれと迫っています。
4. なぜ「一般薬剤師」のあなたが危機感を持つべきか


「経営のことは社長が考えればいい」……そう思えるのは、利益が出ている時だけです。
これほど大幅な減算が続くと、現場には必ず以下のような「しわ寄せ」が来ます。
- 人員削減: 利益が出ない以上、薬剤師を減らして「1人あたりの枚数」を増やし、生産性を上げるしかなくなります。
- 給与の頭打ち: 昇給やボーナスの原資が削られ、頑張っても年収が上がらない「停滞期」に突入します。
- 有給が取れない: 人が減らされるため、代わりの薬剤師が見つからず、有給申請が心理的に(あるいは物理的に)不可能になります。
門前やモールという「安定」にあぐらをかいていた店舗が、今や最も「不安定」な場所になろうとしています。
あなたの店舗は「ハズレ」のガチャではないか?
今回の改定は、薬剤師の働き方に対する「踏み絵」です。
特定の医療機関に依存し、減算の直撃を受ける店舗で「削られる側」として消耗し続けるのか。
それとも、点数が手厚く保護されている「基本料1」の店舗や、DX・在宅で攻める店舗へ移るのか。
「定時で帰りたい」「有給をしっかり消化したい」という願いを叶えるための最低条件は、まず会社に「あなたを優遇できるだけの利益」があることです。
沈みゆく船で最後まで必死にバケツで水を汲み出すのも一つの生き方ですが、賢い薬剤師は、嵐が本格化する前に「丈夫な船」へと乗り換える準備を始めています。


2. 【コスパの罠】仕事は増えて、点数は下がる。効率化の正解は?(地域支援・供給体制加算)
「実質減算」となった加算。在庫管理や卸との交渉など、面倒な作業をいかに「賢く手抜き」して、会社からの評価を維持するか。
1. 合体したのに「減算」という衝撃の事実


これまで別々だった「後発医薬品調剤体制加算」と「地域支援体制加算」が合体し、全5区分の新点数に再編されました。
驚くべきは、わざわざ合体させたのに、合計点数は以前より微減しているという点です。
さらに、これまでは「後発品は出せていないけど、地域支援は取れている」という器用な立ち回りが可能でしたが、今後は「後発品使用率(加算1)をクリアしていないと、2〜5も算定不可」という、実質的な足切りルールが導入されました。
「後発品が足りない!入ってこない!」と卸さんに泣きつく手間だけが増え、報酬は下がる……現場の薬剤師にとっては、ストレスの増大でしかありません。
[図解予定:旧点数と新点数の比較チャート(合体して低くなるイメージ)]
2. 卸さんへの「ワガママ」が国に禁止された?


今回の改定で注目すべきは、「医薬品流通改善ガイドライン」の遵守が明記されたことです。
これまで、「定時で帰りたいから、夕方の急ぎ配達をお願い!」「動かない在庫はバンバン返品しちゃえ!」と、ある種「卸さん頼み」で業務を回していた薬局も多いはずです。
しかし、今後はこうした流通業者への過度な負担がチェックの対象となります。
まだ具体的な確認方法は未定ですが、国は「薬剤師のわがままに卸を付き合わせるな」と明言したのです。
これからは、より緻密な在庫管理が求められます。「あ、薬が足りない!」というミスが、即座にあなたの残業時間に直結する時代がやってきます。
3. 「経過措置なし」の恐怖。実績作りに追われる日々へ
これまでの改定では、ルールが変わっても「1年くらいは猶予をあげるよ」という経過措置がありました。
しかし、2026年改定では(少なくとも現段階では)地域支援の実績要件に経過措置が示されていません。
つまり、4月になった瞬間に「実績が足りないから加算剥奪!」という事態が起こり得るのです。 しかも、実績項目からは「服用薬剤調整支援料」が削除されるなど、ルール自体も変わります。経営層から**「有給取ってる暇があったら、実績の1件でも作ってこい!」**という無言のプレッシャーがかかるのは、火を見るより明らかです。
4. 面積・機器……「場所」まで縛られる現場
さらに「地味にキツい」のが、物理的な要件です。
- 調剤室の面積(16平方メートル以上): 新規や改築の際は必須。狭い薬局で工夫して回していた時代は終わり、物理的な制約で加算が取れなくなるリスク。
- セルメ機器の設置: 血圧計などを置けと言われますが、そのメンテナンスや患者さんへの説明は、誰がやるのでしょうか? そう、現場の私たちです。
[図解予定:地域支援・医薬品供給対応体制加算の体制要件まとめ]
この「コスパ最悪」な加算とどう付き合うか
「地域支援」という名前は立派ですが、実態は「薬剤師の労働力を安く買い叩くためのノルマ集」になりつつあります。
プライベートを重視したいあなたが取るべき戦略は一つ。
「加算のために必死になる薬局」ではなく、「最初から余裕を持って要件をクリアしている、システム化された薬局」を選ぶことです。
無理な在庫調整や、経過措置のない実績作りに振り回されるのは、もう終わりにしましょう。
あなたが汗をかくべきは、患者さんのためであって、複雑怪奇な加算の計算式のためではないはずです。
3. 【定時の天敵】在宅プラス改定は「残業」への招待状?(在宅関連)
「在宅に力を入れている薬局は、利益が出ていて安心」……なんて思っていませんか?
2026年の改定内容を深掘りすると、プライベート重視派の薬剤師にとっては「定時退社の最大の障壁」になりかねない、かなりヘビーな現実が見えてきました。
国は今、単に「薬を届ける」だけの配送サービスを卒業し、多職種と連携して「療養生活を支える」ガチの在宅機能を求めています。
「無菌室があるだけ」では許されない。加算要件の激化


今回改定された「在宅薬学総合体制加算」。これがなかなかのクセモノです。
- 在宅薬学総合体制加算2(100点): これ、実は「ガチ勢」しか取れない設定です。
ただ無菌調剤室を持っているだけではダメで、IVH(中心静脈栄養)の混注や、麻薬の持続点滴といったターミナル患者さんの受け入れ実績が必須となりました。 - 在宅薬学総合体制加算1(30点): 一見ハードルが低そうですが、こちらも24時間対応や麻薬備蓄、他職種連携の実績判定が厳しくなります。
「ちょっとだけ在宅やってます」という薬局にとっては、維持するだけでも綱渡りな改定です。
現場の視点: > 「IVHの混注」や「麻薬の持続点滴」が必要な患者さんがいるということは、定時直前に急ぎの対応が入ったり、土日に呼び出されたりするリスクが激増することを意味します。
加算100点は経営的には美味しいですが、現場の薬剤師にとっては「残業への招待状」と言っても過言ではありません。
プライベート重視派が知っておくべき「在宅の裏側」


高齢化社会がピークを迎え、病院から在宅へ、そして「地域全体で看取る」体制への移行は国としての至上命令です。
今回の改定は、その「手間」と「コスト」を正当に評価したものですが、一般薬剤師の働き方には以下の影響が出ます。
- 「24時間365日の対応体制」の重圧: 加算を維持するために、オンコール(呼び出し待機)の当番が回ってくる頻度が上がるかもしれません。
- 多職種連携という名の「会議・連絡」: ケアマネジャーや医師との密な情報共有は、電話やチャット、時には退院時共同指導への出席を意味します。これらはすべて、あなたの「定時後の時間」を狙っています。
結論:定時で上がりたいなら「在宅の深さ」をチェックせよ
在宅業務は、意欲的に取り組む薬局が経営を維持できるような配慮がなされています。
しかし、あなたが「定時上がり」と「有給」を最優先にするなら、その薬局が「加算2(100点)」を狙っているガチ勢かどうかを必ず確認してください。
「うちは無菌調剤もバンバン受けるよ!」という店舗は、やりがいはありますが、プライベートとの両立は修羅の道になる覚悟が必要です。



今回の改定で居宅の往診同行に対して点数が付くことになりました。
在宅メインのところの転職を検討されている方は以下も参照してください👇


4. 【格差の始まり】「1000点の仕事」ができる人と、淘汰される人(ポリファーマシー)
2026年度の診療報酬改定で最も大きな衝撃を与えたのが、「服用薬剤調整支援料2」の1000点への大幅引き上げです。
これまでの「100点」から一気に10倍という異次元の評価は、薬剤師が単なる「調剤者」から、臨床判断を下す「処方適正化のパートナー」へ脱皮することを求めています。
「1000点の壁」を突破し、地域で選ばれる薬剤師になるための戦略を深掘りします。
服用薬剤調整支援料2 1000点の実施時期は2027年6月から


今回の改定で特筆すべきは、点数設定こそ2026年に行われるものの、実際の算定開始が2027年(令和9年)6月1日まで1年間猶予されている点です。
これは「1000点という高額な報酬に見合う質の担保」を国が求めているためです。
2026年6月からの1年間は、算定に必要な高度な研修の受講や、地域の医療機関とのプロトコル(合意形成)作成のための「準備期間」と位置付けられています。
つまり、2026年は「学びと土壌作り」、2027年からが「実践と収益化」というフェーズに分かれます。
服用薬剤調整支援料2 1000点が取れる薬剤師の条件とは?


この1000点は、すべての薬剤師が自動的に取れるものではありません。
以下の厳しい要件が課される見込みです。
- 「かかりつけ薬剤師」であること: 原則として、当該患者の「かかりつけ」として届け出ている必要があります。
- 高度な専門研修の修了: 日本薬剤師会などが実施する、ポリファーマシー対策やStructured Medication Review(体系的な薬剤レビュー)に関する特定の研修などを修了していることが必須となります。(今後詳細が公示されます)
- 算定回数の制限: 1人の薬剤師につき月4回まで、同一患者には6ヶ月に1回まで。
これは「数で稼ぐ」のではなく「1件の質を極める」業務であることを示唆しています。
服用薬剤調整支援料2 1000点が取りやすい患者さんとそうでない患者さん
1000点の算定には、患者さんの協力と納得が不可欠です。対象選びが成否を分けます。
在宅患者や他職種連携していて周りからの協力が得られるところがやりやすいと言わざるをえません。
| カテゴリ | 特徴 | 算定のしやすさ |
| 在宅・訪問患者 | 生活状況や副作用(ふらつき等)が目に見える | ◎ やりやすい。生活の質が改善する実感が得られやすい。 |
| 多科受診の高齢者 | 6種類以上の内服薬があり、重複や相互作用が多い | ○ やりやすい。整理するメリットが物理的に明確。 |
| 外来の独居患者 | 残薬管理が困難で、服薬アドヒアランスが低下中 | △ 注意が必要。医師との連携に加え、本人の理解が鍵。 |
| 精神科・若年層 | 薬のバランスが繊細、または本人のこだわりが強い | × 難しい。急な変更が病態悪化に直結するリスクが高い。 |
窓口負担3000円をどう説明すべきか?


3割負担の場合、患者さんの支払いは約3,000円アップします。
これを「高い」と思わせないための説明スキルが求められます。
【推奨される説明フレーズ】
「今日は、お薬の『総点検(薬剤レビュー)』を1時間かけて行いました。これは単なるお薬のお渡しではなく、将来の転倒や副作用を防ぎ、『本当に必要な薬だけに絞り込む』ためのあなたにとって大切な分析です。
ここでお薬が整理されれば、来月以降のお薬代は安くなりますし、何より安全に過ごしていただくための大切な費用とお考えください。」※負担額が3割の方は今後かかる薬剤費と比較し、負担額が1割の方は副作用や有害事象防止をメリットに説明すれば良いと思います。
服用薬剤調整支援料2 1000点を取るための実務上の問題点


高得点には、それ相応の「臨床的責任」が伴います。現場では以下のリスクに直面します。
- 「隠れた疾患」の再燃: 漫然投与に見えた薬を削除したことで、実は抑えられていた症状が噴出し、患者の信頼を損なうリスク。
- 離脱症状への対応: ベンゾジアゼピン系やステロイドなど、急な中止が心身に多大な影響を及ぼす薬剤の「漸減(少しずつ減らす)計画」を立てる能力が不足しているケース。
- 検査値(eGFR等)へのアクセス: 腎機能を確認せずに減薬・変更を提案するのは「根拠なき勘」になりかねません。医療機関とのデータ共有が必須です。
処方医へのアプローチの難しさについて


最大の壁は、依然として「医師との関係性」です。
- 「越権行為」への懸念: 医師は「自分の治療方針を否定された」と感じる場合があります。
- 責任の所在: 薬剤師の提案で減薬し、病状が悪化した場合、最終的な責任は処方箋を書いた医師が負うという構造的な不条理があります。
【解決策:パートナーとしての立ち位置】
「薬を減らしてください」という要求ではなく、「患者さんがふらつきで困っています。
この薬を少し減らして様子を見てはいかがでしょうか?」という、患者の利益を起点とした「共同意思決定(SDM)」の提案スタイルを確立できるかどうかが、1000点の仕事ができるかどうかの分かれ目です。
服用薬剤調整支援料2の見直し(改定案)の概要
第1 基本的な考え方(背景)
必ずしも服用薬剤数削減によらない支援手法の策定を踏まえ、要件・評価を見直す。
- これまでの主な焦点: 服用薬剤数の削減
- 今後の方向性: 服用薬剤調整支援(適正化支援)へ(多様な手法・包括的な支援)
第2 具体的な内容(現行と改定案の比較)
| 項目 | 現行 | 改定案(見直し) |
| 評価(点数) | 110点 または 90点 | 1,000点(※評価を見直す。点数は未定の記述あり) |
| 主なプロセス | 患者(6種類以上の内服薬)→ かかりつけ薬剤師(把握・調整必要と判断)→ 処方医へ文書で提案 | 患者(6種類以上の内服薬)→ かかりつけ薬剤師(把握・評価)→ 【追加】患者に対し薬物療法の適正化支援を実施 → 処方医へ文書で提案 |
| 算定要件・制限 | 6月に1回限り算定。処方医への提案が主な要件。 | 算定要件に追加: 「かかりつけ薬剤師が患者に対し薬物療法の適正化支援を実施すること」。6月に1回限りの制限は継続予定。 |
具体的に必要な実施事項(留意事項通知予定)
| 符号 | 内容 |
| ア | 患者・家族からの主観的情報の聴取 |
| イ | 検査値等の客観的情報の収集 |
| ウ | 生活状況及び意向の聴取 |
| エ | 治療効果及び有害事象の評価 |
| オ | 薬剤関連問題の特定及び整理 |
| カ | 観察計画及び対応案の立案 |
実施する薬剤師の要件(留意事項通知予定)
- 相当程度の保険薬局勤務年数
- 極めて高度な水準の専門性
- ポリファーマシー対策の十分な研修受講
5. 【給与明細を疑え】国からもらった「賃上げ原資」はどこへ消えた?(物価対応・ベースアップ)


「難しい改定の話はもうお腹いっぱい……」という皆さんに、これだけは絶対に無視してはいけない「お金」の話をします。
2026年の診療報酬改定で注目すべきは、薬剤師や事務職員等の確実な賃上げを目的とした「調剤ベースアップ評価料」の新設です。
これは国が「現場のスタッフの処遇を改善してね」と、用途を限定して薬局に渡している「特別手当の原資」です。
この点数を算定しているのにあなたの給料が変わっていないとしたら、それはあなたに届くはずの報酬が、会社の利益としてどこかへ消えているということ。
自分の正当な権利を守ることは、最も優先すべき「自衛」なのです。
物価対応として以下の通りに時期ごとにベタ取りできる加算になります




今回の「調剤ベースアップ評価料」は、処方箋受付1回につき点数が加算される「ベタ取り」の仕組みですが、段階的に点数がアップする「2段構え」になっているのが特徴です。
- 第1段階(導入期):〜令和9年(2027年)5月まで
- 処方箋受付1回につき 4点(40円)
- 第2段階(本格実施):令和9年(2027年)6月以降〜
- 点数が2倍(200%)にアップし、8点(80円)
これは「努力への報酬」ではなく、「生活維持のための補填」です。
国が「これだけ物価が上がっているんだから、現場の人間の給料を上げなさい」と、点数を倍増させてまで経営者に迫っているのです。
あなたの給与のどこを確認すべきなのか?
会社がこの評価料を算定するためには、「賃金改善計画を作成し、地方厚生局へ届け出る」ことが必須条件となっています。
つまり、会社が算定している以上、あなたの給料は必ずどこかで「改善」されていなければなりません。
給与明細の以下のポイントを今すぐチェックしてみてください。
- 「基本給」の引き上げ: 就業規則の改定などを伴う、最も望ましい反映方法です。
- 「ベア手当」などの新設: 賃金改善を実施するための体制整備として、新たな手当が加わっているか。
- 事務員さんの給与: この加算は薬剤師だけでなく「事務職員等」も対象です。チーム全体の処遇が改善されているか確認しましょう。
あなたの薬局が加算を取っているかどうかの確認方法
「うちの会社、ちゃんと届けてるのかな?」と疑問に思ったら、以下の方法で確認できます。
- 店内の掲示板を見る: 施設基準として「対象職員が勤務していること」や「賃金改善の体制整備」が求められるため、これらに関する掲示があるか探してください。
- 患者さんの「領収書もしくは調剤録」を見る: 会計時に出す領収書もしくは調剤録の加算項目に「調剤ベースアップ評価料」の文字があるか確認しましょう。
- 厚生局のHPで検索: 必須要件として「地方厚生局への届け出」があるため、厚生局のサイトで自店舗を検索すれば、算定の有無が公的に分かります。
もしあなたの給与に反映していなかった場合の対処法


もし「お店は加算を取っている(=患者さんからお金をもらっている)のに、私の給料は変わっていない」という場合、以下のステップで「自衛」しましょう。
「誠実な会社」へ静かに移る準備をする: 国がわざわざ「確実に賃上げしてね」とお膳立てしてくれた原資をネコババするような会社は、将来的に必ずあなたを消耗させます。
本格実施で点数が8点に跳ね上がる令和9年6月 までに、正当な還元を行うホワイト薬局を転職先の候補に入れておきましょう。
「賃金改善計画」について聞く: 「今回のベースアップ評価料って、厚生局に計画書を出すんですよね。うちはどんな計画なんですか?」と、制度の必須要件を熟知していることを匂わせつつ聞いてみましょう。
就業規則の改定を確認する: 賃金改善には「就業規則の改定」などの体制整備がポイントとなります。「給料に関する規則、何か変わりました?」と確認するのは、労働者の正当な権利です。
6. 【営業終了】「同意書コレクター」から「実績重視」への転換(かかりつけ薬剤師)


これまでの薬局経営において、「かかりつけ薬剤師」の同意書は、いわば「安定した加算への通行手形」のような側面がありました。
しかし、2026年の改定によって、そのビジネスモデルは文字通り「営業終了」を迎えます。
これからは、同意書の数ではなく、どれだけ具体的に患者の薬物療法に介入し、アウトカムを出したかが問われる「実績重視」の時代へと完全にシフトします。
かかりつけ薬剤師と非かかりつけ薬剤師で点数差が出る


今回の改定では、同じアクションを起こしても「誰が」やるかによって評価が明確に階層化されます。
- 収益の格差: 疑義照会を伴う残薬調整や有害事象防止の加算において、一般的な窓口対応(30点)に対し、かかりつけ薬剤師が介入した場合は50点となります。
- 1.6倍の収益差: かかりつけ薬剤師としての同意があるだけで、1回あたりの単価が約1.6倍に跳ね上がる仕組みです。(「かかりつけ薬剤師」の同意を得ている患者だけでなく、「在宅」で訪問薬剤管理指導を行っている患者への介入も、この上位50点の対象に含まれます。)
- 経営メッセージ: 資料では「同意獲得が単価アップの鍵」と明示されており、かかりつけ機能を持たない薬局との経営体力差は広がる一方です。
かかりつけ薬剤師の残薬調整とフォローアップで評価される


改定の目玉は、「量の適正化」と「質の向上」の両面を評価する仕組みへの再編です。
- 調剤時残薬調整加算: 飲み残しや日数調整といった「量」の適正化を強力に介入・評価することで、50点(上位設定)を狙いに行くことが求められます。
- 薬学的有害事象防止加算: 副作用や重複投薬のリスクを回避する「質」の向上についても、かかりつけ薬剤師ならより高い点数で評価されます。
- 継続的な関与: 処方箋を受け付けた瞬間だけでなく、服薬期間中のフォローアップ(50点)を通じて情報を収集し、それを医師へフィードバックするプロセス自体が収益の源泉となります。
ちょっとおかしいな?という患者さんにかかりつけ薬剤師訪問加算230点




在宅医療の本格的な開始を迷うような、グレーゾーンの患者さんへのアプローチも重要になります。
早期介入のインセンティブ: 患者が深刻な体調悪化を招く前に、かかりつけ薬剤師が機動的に動くことをバックアップする仕組みと言えるでしょう。
スポット介入の評価: 2026年改定では、いつものかかりつけ薬剤師が、患者の変化(服薬の乱れやADLの低下)を感じた際に、単発で自宅を訪問して状況を確認することを評価する「230点」の加算が注目されています。
在宅への入り口: 薬局の窓口では見えない「生活の実態」を確認し、残薬整理や環境整備を行うことで、その後の継続的な在宅管理指導へと繋げる重要なステップとなります。
7. 【メンタル防衛】10月から激増する「窓口クレーム」を秒でかわす技術(選定療養)
ロキソニンやモーラスが自己負担増。「なんで高いの!」とキレる患者を、最短30秒で納得させて帰すためのトークスクリプト。
(現在作成中)







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