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OTC48薬効群は薬局のチャンスとなるか?それとも面倒なだけ?やることまとめ

薬太郎
薬太郎

OTC48薬効群って何なのでしょうか。
納品しなければならないのでしょうか。
薬局薬剤師として覚えておくことをまとめてみました。

2024年6月の診療報酬改定で地域支援体制加算の要件が大幅に変更

2024年6月診療報酬改定で様々な加算の要件が変わっております。
(今年は診療報酬改定に伴うレセコンのアップデートなどの時間を鑑みて4月に薬価改定、6月に診療報酬改定となっています。)
地域支援体制加算を算定している薬局は今回の改定にて対応する事項が多いかと思いますが、その一つに0TC48薬効群を揃えるというものがあります。

「48 薬効群の品目を取り扱うこと」とされているが、48 薬効群の
医薬品全てを薬局で備蓄しておく必要があるのか。
(答)そのとおり。購入を希望して来局する者の求めに応じて、適切な医薬品が提供できるよう、薬局に必要かつ十分な品目を常備している必要がある。

問6 地域支援体制加算の施設基準における要指導医薬品及び一般用医薬品について、保険薬局に併設される医薬品の店舗販売業(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第 25 条第1号に基づく許可を有する店舗をいう。)において、これらの要指導医薬品等の全部又は一部を取り扱っている場合について、どのように考えればよいか。
(答)当該保険薬局において要指導医薬品及び一般用医薬品の販売を求めていることから、販売にあたっての相談応需や指導、情報提供等の対応は薬局で行うことが必要であるが、薬局で要指導医薬品等を販売できる体制であれば、これらの品目を併設される医薬品の店舗販売業に備蓄しているものを用いることは差し支えない。
なお、要指導医薬品等の販売にあたっては、購入を希望して来局する者が、症状等に応じた医薬品が適切に選択できるよう、また、当該薬局を利用している患者であれば当該患者の服薬状況を一元的、継続的に把握することを前提に、必要な指導及び情報提供を行うこと。

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/iryo_shido/000328786.pdf

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/iryo_shido/000328786.pdf

地域支援体制加算の施設基準の要件になっているため、ドラッグ併設でない店舗はOTC 48薬効群を揃える必要があります。
これを単純に加算のためだけに揃える薬局と、これを機にOTC販売のチャンスととらえる薬局の2パターンあるようです。

OTC 48薬効群を薬局で販売するためにやるべきこと

まずは48薬効群のどれを納品するかを決める

PMDAの一般用医薬品検索で調べると薬効分類ごとに対象薬を選ぶことができます↓

一般用医薬品・要指導医薬品 添付文書等情報検索 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による添付文書等情報検索ページです。一般用医薬品や要指導医薬品の販売名などから、添付文書(使用上の注意)などを検索できます。

設置スペースの確保

老舗調剤薬局は狭いところもありますから、設置スペースはできるだけ省スペースがいいでしょう。
デジタルサイネージを使用するというのも今風でしょうし、壁掛けが現実的な路線かと思います。

OTC48薬効群 壁掛け

OTC48薬効群 デジタルサイネージ

販売する薬品によって第一類、要指導、指定第二類、二類、三類と異なるのでそれぞれ販売方法通りに設置。

  • 販売時の確認や情報提供等をするものの資格種別
  • 要指導医薬品 → 薬剤師
  • 第一類医薬品 → 薬剤師
  • 第二類医薬品 → 薬剤師もしくは登録販売者
  • 第三類医薬品 → 薬剤師もしくは登録販売者
薬子
薬子

調剤事務員に登録販売者がいると混雑時に販売を任せることが可能です。

  • 第一類、要指導医薬品は説明文書が必要なため、説明文を用意する。
  • 販売は薬剤師もしくは登録販売者が行う。
  • 一類と要指導は説明文書を用いて説明が必要。
  • 販売記録も付ける必要がある。
  • 指定第二類、二類、三類は説明は努力義務となる。

https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pharmacy-info/poster.pdf

薬太郎
薬太郎

薬局によって選択する薬品の商品が異なると思いますので揃えてから一類と要指導に関して確認しておきましょう。

実際に揃えるOTC48薬効群の商品例

薬効分類番号:薬効:成分:適応症:具体的製品名の順になっています。

1かぜ薬(内用)アスピリン、アセトアミノフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミンかぜの諸症状(のどの痛み,発熱,悪寒,頭痛,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和ベンザブロック(武田薬品工業)
エスタックEVE錠(エスエス製薬)
3解熱鎮痛薬アセトアミノフェン、エテンザミド、ブロムワレリル尿素頭痛・歯痛・生理痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・咽喉痛・打撲痛の鎮痛。悪寒・発熱時の解熱ナロンエース(大正製薬)
バファリンA(ライオン)
4催眠鎮静薬塩酸ジフェンヒドラミン一時的な不眠の次の症状の緩和:寝付きが悪い,眠りが浅いドリエル(エスエス製薬)
6鎮うん薬(乗物酔防止薬,つわり用薬を含む)サリチル酸ジフェンヒドラミン乗物酔いによるめまい・吐き気・頭痛の予防及び緩和トラベルミン(サンノーバ‐エーザイ)
7小児鎮静薬(小児五疳薬等)ゴオウ小児五疳,夜なき,下痢,ひきつけ,消化不良,乳はき,食欲不振,小児のかんむし,胃腸虚弱救命丸(喜多薬品工業 他)
9ヒスタミンH2受容体拮抗剤含有薬塩酸ラニチジン、ファモチジン胃痛,胸やけ,もたれ,むかつき(本剤はH2ブロッカー薬を含んでいる)ガスター10(山之内製薬)
三共Z胃腸薬(三共)
10制酸薬水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム胃痛,胸やけ,飲みすぎ,胃酸過多,胃もたれ,胃部不快感,胃部膨満感,胃重,胸つかえ,げっぷ,はきけ(むかつき,胃のむかつき,二日酔・悪酔のむかつき,嘔気,悪心),嘔吐サクロンS(サンノーバ‐エーザイ)
新中外胃腸薬顆粒(中外製薬
11健胃薬オウバク末、オウレン末、ゲンチアナ末、ユウタン胃弱,食欲不振,胃部・腹部膨満感,消化不良,食べ過ぎ,飲み過ぎ,胃のむかつきウチダのせんぶり末(ウチダ和漢薬)
12整腸薬ゲンノショウコ、ビフィズス菌整腸(便通を整える),腹部膨満感,軟便,便秘紀伊国屋ゲンノショウコ末(紀伊国屋漢薬局)
14制酸・健胃・消化・整腸を2以上標榜するものオウバク末、オウレン末、牛胆汁エキス末、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ロートエキス飲み過ぎ,はきけ(胃のむかつき,二日酔・悪酔のむかつき,嘔気,悪心),嘔吐,食べ過ぎ,胃もたれ,消化不良,消化不良による胃部・腹部膨満感,胸やけ,胸つかえ,消化促進,食欲不振(食欲減退),胃弱アサヒ健胃消化薬(アサヒフードアンドヘルスケア)
15胃腸鎮痛鎮けい薬臭化ブチルスコポラミン胃痛,腹痛,さしこみ(疝痛,癪),胃酸過多,胸やけブスコパンA錠(日本ベーリンガーインゲルハイム‐エスエス製薬)
16止瀉薬塩化ベルベリン、塩酸ロペラミド下痢,消化不良による下痢,食あたり,はき下し,水あたり,くだり腹,軟便正露丸(大幸薬品 他)
17瀉下薬(下剤)酸化マグネシウム、センナ、ピコスルファートナトリウム便秘。便秘に伴う次の症状の緩和:頭重,のぼせ,肌あれ,吹出物,食欲不振(食欲減退),腹部膨満,腸内異常発酵,痔コーラックソフト(大正製薬)
18浣腸薬グリセリン、ビサコジル便秘イチジク浣腸30(イチジク製薬)
21強心薬(センソ含有製剤等)ゴオウ、センソ動悸,息切れ,気付け救心(救心製薬‐救心商事)
23動脈硬化用薬(リノール酸,レシチン主薬製剤等)酪酸リボフラビン血清高コレステロールの改善,血清高コレステロールに伴う末梢血行障害(手足の冷え・しびれ)の緩和デコレールE(藤沢薬品工業)
27含嗽薬ポピドンヨード口中及び咽喉の防腐・防臭,消毒及び殺菌剤として感冒の予防並びに次の諸症及び感冒時におきる症状(咽頭炎,喉頭炎,扁桃炎,歯髄炎,口内炎,口中悪臭),抜歯手術又は口腔手術後の消毒・殺菌及び虫歯の予防ルルうがい液(三共)
25その他の循環器・血液用薬 イコサペント酸エチル エパデールTは,イコサペント酸エチルを主成分とし,健康診断等で指摘された境界領域の中性脂肪値を改善するお薬です。 エパデールT

26
鎮咳去痰薬塩化リゾチーム、塩酸ノスカピンせき,たんカイゲンせき止めカプセル(堺化学工業‐カイゲン)
27含嗽薬ポピドンヨード口中及び咽喉の防腐・防臭,消毒及び殺菌剤として感冒の予防並びに次の諸症及び感冒時におきる症状(咽頭炎,喉頭炎,扁桃炎,歯髄炎,口内炎,口中悪臭),抜歯手術又は口腔手術後の消毒・殺菌及び虫歯の予防ルルうがい液(三共)
29内用痔疾用薬塩化リゾチーム次の場合の症状の緩和:痔核(いぼ痔),きれ痔,痔出血プリザSカプセル(持田製薬‐大正製薬)
31その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬8種類の生薬(ジオウ,タクシャ,ボタンピ,ブクリョウ,サンシュユ,サンヤク,ケイヒ,炮附子) 体力の低下,下半身の衰え,手足の冷えを伴う方の“軽い尿もれ”,“頻尿(小便の回数が多い)”,“残尿感”,“尿が出渋る”の症状を緩和します。 ハルンケア顆粒
32ビタミンA主薬製剤ビタミンA次の症状の緩和:目の乾燥感。夜盲症(とり目)。次の場合のビタミンAの補給:妊娠・授乳期,病中病後の体力低下時,発育期ステイタスA(全薬工業)

ビタミンはA以外にもD、E、B1、B2、B6、B12、Cなどが対象

48その他の滋養強壮保健薬   
49婦人薬コウカ更年期障害,血の道症,月経不順,冷え症及びそれらに随伴する次の諸症:月経痛,腰痛,頭痛,頭重,のぼせ,肩こり,耳鳴り,めまい,動悸,息切れ,不眠,ヒステリー,疲労感,血色不良ラムールQ(ツムラ)
51その他の女性用薬 イミダゾール系の抗真菌成分クロトリマゾール 腟カンジダの再発による外陰部症状の治療薬です。 エンペシドLクリーム

52
抗ヒスタミン薬主薬製剤マレイン酸クロルフェニラミンじんましん,湿疹・かぶれによるかゆみ,鼻炎レスタミンUコーワ錠(興和‐興和新薬)
53その他のアレルギー用薬 ロラタジン 鼻みず・鼻づまり・くしゃみの症状に、効き目が長く続きます。 クラリチンEX OD錠
54殺菌消毒薬(特殊絆創膏を含む)アクリノール、オキシドール切傷,すり傷,かき傷,靴ずれ田辺メンタムS(田辺製薬)
55しもやけ・あかぎれ用薬グリセリン、白色ワセリンしもやけ,ひび,あかぎれ,指先・手のひらのあれ,ひじ・ひざ・かかとのあれ新コルヂール軟膏(エスエス製薬)
56化膿性疾患用薬イオウ・カンフルローションにきびクレアラシルH2(明治薬品‐ブーツ・ヘルスケア・ジャパン)
57鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬(パップ剤を含む)インドメタシン肩こり,腰痛,筋肉痛,筋肉疲労,関節痛,打撲,捻挫,しもやけ,骨折痛サロンパス‐ハイ(久光製薬)
58みずむし・たむし用薬クロタミトン、トルナフタートみずむし,いんきんたむし,ぜにたむしブテナロッククリーム(久光製薬)
59皮膚軟化薬(吸出しを含む)サリチル酸、尿素手指のあれ,ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症,老人の乾皮症,さめ肌メンソレータム皮フ軟化クリーム(ロート製薬)
60毛髪用薬(発毛,養毛,ふけ,かゆみ止め用薬等)ミノキシジル壮年性脱毛症における発毛,育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防リアップ(大正製薬)
61その他の外皮用薬アラントイン、ビタミンE誘動体、ビタミンB6、グリチルレチン酸、セチルピリジニウム塩化物水和物、dl-メントール 口唇のひびわれ,口唇のただれ,口唇炎,口角炎 メンソレータムメディカルリップb
62一般点眼薬塩酸ピリドキシン、コンドロイチン硫酸ナトリウム目の疲れ,結膜充血,目のかゆみ,眼病予防(水泳のあと,ほこりや汗が目に入ったときなど),紫外線その他の光線による眼炎(雪目など),目のかすみ(目やにの多いときなど),眼瞼炎(まぶたのただれ),ハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感サンテFXネオ(参天製薬)
63抗菌性点眼薬スルファメトキサゾールナトリウムものもらい,結膜炎(はやり目),眼瞼炎(まぶたのただれ),目のかゆみスマリン抗菌(エスエス製薬)
64アレルギー用点眼薬クロモグリク酸ナトリウム花粉,ハウスダスト(室内塵)等による次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血,目のかゆみ,目のかすみ(目やにの多いとき等),なみだ目,異物感(コロコロする感じ)エージーアイズ(藤沢薬品工業)
69鼻炎用内服薬 急性鼻炎,アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:くしゃみ,鼻みず,鼻づまり,なみだ目,のどの痛み,頭が重いコンタック鼻炎(住友製薬‐グラクソ・スミスクライン)
70鼻炎用点鼻薬塩酸ジフェニルピラリン急性鼻炎,アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:鼻みず(鼻汁過多),鼻づまり,くしゃみ,頭重パブロン点鼻(大正製薬)
73口腔咽喉薬(せき,たんを標榜しないトローチ剤を含む)ポピドンヨードのどの炎症によるのどあれ・のどの痛み・のどのはれ・のどの不快感・声がれ浅田飴のどクールスプレー(ジャパンメディック-浅田飴)
74口内炎用薬グリチルリチン酸二カリウム口内炎,舌炎サトウ口内軟膏(佐藤製薬
75歯痛・歯槽膿漏薬塩化リゾチーム歯槽膿漏,歯ぎん炎,口内炎,舌炎,口唇炎,智歯周囲炎の予防と治療パラデントエース(ライオン)

77
禁煙補助剤ニコチン禁煙時のイライラ・集中困難・落ち着かない等の症状の緩和ニコレット(ファイザー‐武田薬品工業)
78漢方製剤(210処方)、⽣薬製剤(他の薬効群に属さない製
剤)、⽣薬主薬製剤
ケイヒ、シャクヤク、カンゾウ、ボタンピ○はきけ,食欲不振,胃炎,胃腸虚弱,疲労感および風邪の後期の症状(小柴胡湯)○かぜの初期の諸症状(発熱,寒け,頭痛,肩・首筋のこわばり,鼻閉,鼻水,のどの痛み)(葛根湯)○病後の体力低下,疲労倦怠,食欲不振,ねあせ,手足の冷え,貧血(十全大補湯)ツムラ漢方小柴胡湯エキス顆粒(ツムラ)
カコナール(山之内製薬)
十全大補湯エキス錠カネボウ(カネボウ)
81消毒薬塩化ベンザルコニウム手指,皮膚の消毒。器具類,室内,便所等の消毒クレゾール石ケン液(丸石製薬 他)
82殺虫薬フェニトロチオンゴキブリの駆除ゴキアースレッドa(アース製薬)

まとめ

  • OTC48薬効群は、自己治療の選択肢を広げ、顧客サービスと満足度を向上させることができます。
  • また、薬剤師の役割が重要であり、適切なアドバイスを通じて安全かつ効果的な使用を促進することが求められています。
  • OTC48薬効群の拡大により、薬局の売上増加や患者さん満足度向上が期待されます。
  • PMDAのサイトへ飛んで薬局にあった商品を選択しましょう。
  • 陳列方法を検討しましょう。
  • 第一類と要指導は説明文書や記帳を準備、それ以外は薬剤師もしくは登録販売者が販売となります。

調剤ができる薬剤師がOTCする方が併用チェックなど良いアドバイスをできるでしょうし、登録販売者の活躍の場も増えそうです。